【元コピーライターが解説】広告制作会社の仕事内容ってどんな感じ?

広告制作会社のお仕事を解説します

「世の中の広告は、広告代理店がつくっている」みたいに思っている人って意外と多いです。
いや、まったくの間違いではないんですけど、正しくもないです。

また例えばネットでコピーライターのことを検索すると、
「コピーライターは広告代理店に入社し、広告のコピーを担当します」
みたいな書かれ方してることも結構見ます。

でもあれはコピーライターの実態を考えると必ずしも正しくはありません。
代理店以外の会社にもコピーライターはたくさんいます。

 

それは広告制作会社と呼ばれる会社です。
いわゆるプロダクションってやつですね。
世の中には、代理店の数より多くの制作会社が存在していることをご存知でしょうか。
制作会社の大半は広告代理店を通じて仕事を受けています。
そこには多くのコピーライターが所属し、広告を世に出すために日々頑張っています。

ここを見て頂いている人の中には、コピーライターを目指している人もたくさんいるでしょう。
未経験から制作会社に兆戦したいと思っている人もいると思います。
プロダクションがどういった風に仕事をしているのか、気になりますよね。
今回は、制作会社の業務内容について書いてみたいと思います。

 

尚、制作会社の受注スタイルとしては、「広告代理店の下請け」と「クライアントと直接取引」の2つが基本となります。
違いは文字通り、代理店を通すか通さないかです。

 

この記事では、代理店を通した仕事の流れについて説明していきます。

 

オリエンテーション~チーム編成

まず代理店の営業担当から仕事の依頼があります。
付き合いがある程度長ければ、「○○っていうプロジェクトの話があるんだけど、やってみませんか?」みたいに軽いノリで電話がかかってくることも多いです。

後日、その仕事がどんなものかを聞くためのオリエンテーションがあったりするのでそれに参加して詳細を確認します。
タイミングが合えばクライアントに同行してオリエンを聞きますし、そうでなければ代理店からどういうプロジェクトなのか概要を聞く場合もあります。

 

内容を確認し仕事を受けることになると、社内でチームを編成します。
社内で話し合って決めるのが基本ですが、ディレクターポジションの人間が適性を見て決めることもあります。

また私の時はありませんでしたが、代理店から直接「○○さんに担当お願いします」と指名が入るケースもあるようです。

社内にどんな職種の人が所属しているかで変わってきますが、小さなプロダクションだとコピーライターとデザイナーの2人1組で仕事を進めるのが基本です。
少し規模の大きな制作会社だと他にもカメラマンなんかがいたりする場合もあります。

 

プレゼンテーション

担当者が決まると実作業の開始です。
基本的には、プロジェクトがスタートする際にプレゼンテーションを行います。

 

プレゼンテーションというのは、クライアントに向けて提案する場のことを言います。
「御社の新商品の売上を最大限に上げるために、こういった切り口で広告を展開すればいいんじゃないでしょうか?」といった内容のことを、企画書などを用いて説明します。

 

制作会社は、代理店がクライアントに向けて行うプレゼンの「制作部分」を担当することになります。
代理店は代理店で、マーケティングやプランニング、あと予算のことも加えて広告全体の提案を用意します。
企画書の制作は基本は代理店ですが、制作部分は制作会社が作ることもあります。
プレゼン前日などに、それぞれが作った企画書を合わせて人数分セットするのはもはやプロダクションでは恒例行事みたいなものですね。

何を隠そう、私もコピーライターとして企画書をよく作っていました。
転職する際に知りましたが、企画書を書けるコピーライターというのは本当に重宝されます。
もしコピーライターを目指しているのなら、企画書も書けるようになっておいた方が後々いろいろと有利になりますよ。

 

話を戻すと、プレゼンには競合プレゼンと指名プレゼンがあります。
競合プレゼンは、複数の代理店がいくつか参加し、クライアントに向けて提案します。
クライアントは各代理店が出してくる案を見て、その中から一番いいと思った代理店に発注するといったスタイルです。
なので参加しているどこの代理店も必死です。
仕事が取れれば多額なお金が会社にもたらされますが、プレゼンで落ちたら報酬はほぼゼロ。
プレゼンに費やした時間や人件費を考えるとマイナスですからね。

 

プレゼンフィー(コンペフィー)についても、私がいた会社ではもらえないことの方が多かったです。
たまーにあっても、せいぜい3~5万円とかでしたけどね。
負けるととても割に合わない仕事、それが競合プレゼンです。

 

一方、指名プレゼンは既に仕事を受けることが決まっている状態で行います。
クライアントから「おたくのとこでやってくれる?」と頼まれた仕事ってことです。
この場合のプレゼンは、競合プレゼンに比べてより具体的な内容になります。
だってこれから自分たちが実際に仕事をしていく内容を提案するわけですからね。
競合プレゼンの場合は現実味のない提案内容だったりすることもありますが、指名プレゼンはそんなことはありません。
予算の提案に対しても、クライアントからよりシビアな目で見られるのは言うまでもないですね。

 

実作業

無事プレゼンが終わり、仕事が受注することが決まると実作業に入ります。
プレゼンの時に提案したスケジュールに問題がなければ、大体その通りに進めることになります。

 

尚、競合の場合はプレゼンが通ったからと言っても、プレゼンで提案したすべてが受け入れられたわけではありません。
予算、メディア、制作ツール、スケジュールなどは後から修正が入る場合がほとんどです。
まあ修正がなるべく無いように、クライアントの担当者とプレゼン前に詰めることもしますけど、せっかく提案してた制作物の一部が無くなっちゃうなんてこともよくあります。

 

基本的にプロダクションではAD(アートディレクター)あるいはCD(クリエイティブディレクター)などと呼ばれる人の元で作業が進められます。
といっても、少人数のプロダクションだとこんな肩書の人はいないことも多いですけどね。
クリエイティブの方向性を決めて、制作全体の総指揮をとる人のことだと思ってもらえればOKです。
そのディレクターの指揮の元、コピーライターとデザイナーがスケジュールに沿って制作物をつくりあげていきます。

 

代理店経由の仕事だと、クライアントに見せる前に代理店が必ずチェックすることになります。
そこで受けたCB(チェックバック)を元に修正し、代理店のOKが出ればクライアントに届けられます。
クライアントとすり合わせをし、そこで入った要望や修正に応じてさらにブラッシュアップを重ねていくのが基本的な実作業の流れとなります。

 

下請けの下請けなんかもある

上では代理店の下請けという前提で書きましたが、プロダクションは下請けの下請け仕事とかも中にはあります。
いわゆる孫請けというやつですね。

 

代理店から仕事をもらった制作会社が多忙過ぎて、他の制作会社に仕事の一部を発注するケースは多いです。
あるいは、欲張って代理店からの仕事を総合的に受けたものの、専門的なスキルを持つ人が社内におらず、他の専門性の高いプロダクションに一部の業務を振るケースとか。

 

こういった孫請け的な仕事は、正直クリエイティブな感じじゃないものが多いです。
ちゃんとディレクションできるプロダクションからの仕事だったらいいんですけど、残念ながら外注を使い慣れていないプロダクションも結構あるので、そういう所からの仕事だときついと思います。
納期もめちゃくちゃ急なものになりがちですからねー。
多くの場合は、彼らが「納期ムリ!」ってなって振られてきた単発的な仕事なわけなので。
スケジュールなんてあってないようなものもあったりします。

 

あなたがもしコピーライターやデザイナーを目指して就活しているんでしたら、なるべくこういった孫請けの仕事がある制作会社は避けた方がいいかもしれません。
さっきもお話しした通り、作業的なオペレーター業務も多くクリエイティブとは程遠い内容の仕事であることがほとんどだからです。
いつもこのブログでは「コピーライター未経験者は会社を選んでるヒマがあったら、とりあえず広告業界に飛び込め!」と言ってはいるものの、やはり最低限のクリエイティビティがある会社に入りたいものです。

最後に

今回は広告制作会社の仕事内容についてざっとお伝えしてきました。
大体の概要はつかめましたでしょうか?

広告代理店経由での仕事についてお話ししましたが、直接取引でもやることはそう変わりはありません。
デザイナーやコピーライターなどが一つのチームとなり、クライアントの要望に合わせてブラッシュアップしながら広告を制作していくのが基本です。

若い人や広告業界に入ったばかりの人にありがちなのは、コピーライターやデザイナー=アーティストだと勘違いしているパターンです。
広告制作はあくまでクライアントありきなんですよね。
自分の考えを表現する場ではありません。
クライアントの要望をよく聞き、パートナーとして売り上げに貢献すること。
それが広告制作の最大にして唯一の目的となります。

その目的を見失わないように気をつけながら、広告制作という仕事を楽しんでくださいね。