私がコピーライター未経験者には不動産広告というジャンルをおすすめしたい理由

コピーライター

コピーライターを目指す人におすすめしたい「不動産広告」

 

コピーライターへの転職・就職を目指している人にとって、どんなジャンルの広告に携わればいいの?ということは考えた事があると思います。

 

世の中には本当にいろんな種類の広告がありますからね。

 

・電化製品
・乗り物
・アパレル
・不動産
・化粧品
・飲食物
・雑貨
・日用品
・スポーツ用品
・エンターテイメント

 

などなど。
ざっと挙げてみてもこんなにたくさんのジャンルがあります。
もっともっと他にもあると思います。

 

この中から自分はどの広告のコピーを書いてみたいのか?
あまりその辺のことを考えた事が無い人は、一度考えてみてもいいかもしれませんね。
・・・まあ希望しても入社できるかどうかは別問題ですが、そこはとりあえず置いといて(笑)

 

僕がおすすめするジャンルはずばり、不動産広告です。

 

「えー、なんか不動産とか堅そうなイメージ・・・」

「なんつーか不動産の広告って・・・オシャレじゃないのよね」

 

おそらく多くの人は、そんな風に思っているのではないでしょうか。

 

地味、堅そう、オシャレじゃない・・・。
確かにそうかもしれませんが、ちょっと待ってください。
不動産広告って実はコピーライターを目指している未経験者にとっては、まさにうってつけのジャンルなんですよね。

 

という訳で今回は、私が不動産広告のコピーライターをおすすめする理由についてお伝えしてまいります!

 

求人数が比較的多い

不動産というと、衣食住の「住」です。
要するに、人が生活するうえで絶対に必要なものの一つです。
なので住宅に関わる企業っていうのは無数に存在するんですよね。

 

関わる企業が多いジャンルってことは、作られる広告も多いということ。
つまり不動産広告を専門にしている広告制作会社も多いってことです。
その当然の結果として、求人募集も必然的に多くなります。

 

何を隠そう、僕が最初に入社したのは主に不動産広告を作っている制作会社でした。
その会社に入る前、いろんな転職サイトでコピーライター求人を探していましたが、何かしらないけど不動産広告の求人って多いよなーなんて思ってましたからねー。

予算の大きいプロジェクトに携わることが出来る

なんとなく想像つくとは思いますが、不動産業界は動くお金の単位が半端ないです。
人が一生のうちにする買い物の中でも、恐らく一番大きな買い物のはずですからね。
商品が高いということは、かける広告費もおのずと大きなものになります。
それだけ大きな利益が見込めるビジネスだということですね。

 

どうせ同じ広告を作るのなら、大きな仕事に携わった方がやりがいはあります。

また、予算が大きいということは、制作するツールやメディアも多岐に渡ることが多いです。
パンフレット、折込広告、新聞広告、交通広告、DMツール、webサイト、TVやラジオCM・・・。

低予算で小さな仕事をコツコツとするのもいいんですが、やっぱり大きな予算が投入されるプロモーションに関わるのは単純にやりがいがあります。
いろんな制作物をつくるということはそれだけ経験やスキルも積めることになりますからね。

 

僕は最初に入った会社が不動産広告の制作だったので、制作物についてそこまで多いとか思ってなかったのですが、後になって別ジャンルのコピーライターと話した時に言われて初めて気づきました(笑)

 

それまでは不動産広告ってなんか地味でお堅いイメージがあってそこまで自信を持ててなかったんですが、それを聞いて少し自分がやってることに誇りを持つことができましたね。

 

広告の表現がかなり厳しい

不動産広告はコピー表現がかなり限定されています。
「最高」とかの最上級表現はもちろん、「完全」「完璧」など全く劣るところがないような表現もアウトです。
他にも「特価」「安価」「お手頃価格」などの安売りをイメージさせるワードも基本的にはNGとなります。

 

僕は会社に入ってすぐに、NG表現が網羅された資料を上司から渡されて覚えるように言われましたよ。
それくらい不動産広告のコピーライターにとって重要なことなんですよね。
知らなかったじゃすまないことって、社会人だとフツーにありますからね・・・。
特に大きな金額が動く仕事だと尚更慎重にならざるを得ません。

 

これ、デメリットのように思いますよね。
書けるコピーの範囲が狭まるし、なんて窮屈なんだって思いますよね。
これじゃあ自由にコピーなんて書けないじゃないか、なんて。
でも、考えようによっては実はメリットにもなります。

 

表現が限られているということは、出てくるコピーがどうしても似たようなものになりがちになります。
当然ですよね、NG表現が多いので、逆にいうと使える言葉が少ないってことですので。

 

なので不動産業界のコピーライターたちは、いかに別の言い方で表現するかを一生懸命考えてるんですね。

 

本当は「このマンション、最高!」「こんなお買得な物件、見たことない!」そんなことを言いたいんですよ。でも言えない。
なので、「最高!お買得!」というのを気の利いた言い回しになんとか言いかえてコピーをひねる出すんです。
エンドユーザーの心に響く言葉を考える力が、普通のジャンルのコピーに比べて身に付くというわけです。

 

僕が業界にいた時よく言われたのは、
最初に不動産広告を経験してたら、後々他ジャンルに行った時に困る事はないだろう」ってことです。
不自由だったものから、比較的自由になるのは大きなメリットですからね。
これが逆のパターンだと苦労するのは何となく想像つきますよね。

 

校正に対して鋭くなる

予算が大きいということに関連することですが、扱う商品の価格が高いので校正もとても緊張感があります。
マンションの価格の0がひとつ抜けていただけでどえらいことですからね。
最悪の場合、小さな制作会社だと会社ごと吹き飛んでいきそうな大損害につながりかねません。

 

あと不動産広告って下の方によく見ると小さな文字で物件概要が書いています。
間取りや広さ、価格や事業主の情報などを必ず載せなければならないんですね。
これもコピーライターが間違いがないか一文字一文字細かくチェックしなければいけません。
さっきも言った通り不動産は価格が価格なので、どんなに小さく書かれた情報も間違えるわけにはいきません。
徹夜明けでまぶたが勝手に閉じてきそうな状況でも、目をこじ開けて数ポイントの小ささの文字をチェックしていく必要があるんです。

 

そんな経験があるので、私はコピーライターから離れた今でも広告物を見る時は誤字脱字がないかとかそういう目線で文字を読んじゃいますね(笑)

でも校正ってほんとに重要な仕事なんですよ!
校正のみを専門でやる職業もあるくらいですからね。
ぶっちゃけ、今はネット媒体が増えているのでそこまで重要視されてない感もないことはないです。
間違えていてもweb上だとすぐに訂正して更新することができますからね。
でも、雑誌広告や折込広告、交通広告なんかの紙媒体はミスがあっても訂正が出来ません。
印刷して世に出てしまったら、よっぽどのことが無い限りミスに気付いても訂正することはないですからね。

何がいけないかって、ミスして誤った情報をマスに出してしまったことももちろんですが、最悪タダ働きになることもあり得なくはないんですよね。
クライアントからすると

「おたくらプロでっしゃろ?そんな間違った情報で世に出ちゃったらうちらの企業イメージがガタ落ちでんがな。どうしてくれまんねん?」

ってなもんですからね。
なんで関西弁かは分からないですが。

 

クライアントとの関係性やミスの度合いにもよりますが、あまりにも致命的なミスだと広告にかかった制作費用は払わないなんてケースも何度か見てきました。
もしくは通常の半額とか、値引きを要求するパターンは結構ありましたね。

そうなると、小さな制作会社にとっては死活問題です。
制作にかけた人件費や時間が全て水の泡ですからね。
なので信頼されるコピーライターになるためには、校正のスキルはとても重要。
不動産広告ならそのスキルも間違いなく身に付けることができますよ。

 

イメージコピーからセールスコピーまで幅広い

コピーには大きく分けてイメージコピーとセールスコピーがあります。
イメージコピーは、企業や商品のブランディングを目的にしたイメージ的なコピーのこと。
セールスコピーは、反響を目的とした直接的なコピーのことをいいます。

 

不動産広告では、その両方のスキルを身に付けることができます。
というのも、不動産広告ってある程度の規模であれば大体において単発ではなく長いスパンでスケジュールが組まれます。
ここでは詳しくはふれませんが、流れとしては物件が完成する前はイメージを醸成させる表現。
完成してからはなるべく早く売りたいので、基本的には直接的な表現になることが多いです。

 

予告広告の段階ではまだ詳しい情報は表に出しません。
その物件の価格や具体的な面積なんかは公表せずに広告を制作します。
そういう条件なので、コピー展開としてはイメージ的になります。
その土地の歴史をにおわす表現だったり、享受できる豊かな生活をイメージさせるコピーだったりします。

「悠久の薫りを纏うステージへ。」
「おだやかに、かろやかに。」

みたいな感じの、物件のイメージを大切にしたキャッチコピーですね。

 

そしていよいよ情報が開示され、本広告となってくると概ねの情報が表に出されます。
さらに建物が完成しても売れ残っていると、クライアントとしては早く売りたいので少しでも多くの反応を得るため、どんどん直接的な表現になっていく傾向にあります。

「堂々完成!駅徒歩5分の立地に、80m2の広さで2500万円台の住まいを!」

みたいな、いかにも不動産って感じのコピーです(笑)

 

どっちのコピーが優れているとか、そういうことじゃないんです。
現代を生きるコピーライターとしては、どちらのタイプのコピーも書けるようになっておきたいところなんですよね。
これからの時代、いろんなタイプのコピーを書けた方が絶対に有利ですし重宝されますからね。

見てきたように、不動産広告はひとつのプロジェクトの中でもいろんなパターンのコピーが要求されます。
それぞれケースに応じたコピーを使い分けることで、そういったスキルが育まれていくんですね。

 

最後に

今回は、「コピーライター未経験者に不動産広告業界をおすすめしたい理由」についてお話してきました。

 

理由を簡単にまとめると、

 

・求人数が多い
・広告表現に敏感になる
・校正スキルが身に付く
・いろんなテイストのコピースキルが身に付く

 

といったところでしたね。
未経験者のみならず、コピーライター間の転職を目指している人もぜひ参考にしてみてくださいね!