コピーライターなど広告業界と残業は切っても切れない関係の理由

コピーライターは残業が多い職業?

 

少し前にこんな記事を書きました。

広告制作会社ってどんな雰囲気?5年在籍していた僕ができる限り書いてみます
広告制作会社は一般的な企業と何が違うのか? コピーライターを目指している人、グラフィックデザイナーを目指している人。 未経験からの挑戦となると、広告制作会社(広告プロダクション)からスタートって人が大半だと思います。 ...

 

広告制作会社の職場の雰囲気をいろんな角度から書いたのですが、中でも皆さん一番気になっているのは残業についてではないでしょうか!?

 

それはまあそうですよね。
多分、皆さんどこかで一度は「広告業界は残業が多い」なんてことを耳にしたことがあるはず。
そんなに残って何をしているのか?
業界未経験の人なら特に気になるところですよね。

 

という訳で今回は、プロダクションの残業についてもっと具体的に書いてみたいと思います。

 

そもそもなぜ広告業界は残業が多いのか

まず広告業界はなぜ残業が発生するのでしょうか?

 

簡単に言えば、クライアント(広告主)ありきの仕事だからです。
あらゆるメディアを抑えるため、基本的に納期・締め切りは絶対厳守。
さらにクライアントはクライアントで高い費用を払う以上、最大限のパフォーマンスが期待できるものを作ってもらいたいので、より良いものを作ろうとギリギリまで修正を依頼してきます。
で、仕事を受ける代理店や制作会社はその意向にできる限り対応するので、必然的に費やす時間が増えて残業も多くなってくるわけです。

 

そう聞くと「いや、そこはビジネスなんだからきっちりと線引きしないと」なんて思いますよね。
私もそれはずっと思ってましたし、他の人たちも思っているはずです。

 

「納期1週間前の大幅な修正となると制作サイドはかなり無理をすることになるのでお受けできかねます」

「3回以上の修正は追加料金をいただくことになります」

 

そんな風にしてきっちりと線引きして、状況次第ではきっぱりと断ることができれば、残業時間は減るはず。
でも、現実はそう簡単にいかないのも事実なんですよね。

 

なぜか?
それはクライアントに懇意にしてもらうためです。
少しでも無理を聞く事で良好な関係を築き、次の受注につなげようとしているんです。

 

クライアントからすれば、必ずしもその会社に仕事を依頼しなければならない、なんてことはないんですよね。基本的には。
世の中には他にもたくさん代理店や制作会社はあります。
だからコンペってものがあるわけで。
そのことを制作側は重々承知しているので、よそに取られるくらいなら少し社員に無理をさせてでも仕事を受注する傾向にどうしてもなりますよね。

 

あと残業が多くなるもう一つの大きな理由は、広告制作が「クリエイティブ」であることが挙げられます。

 

どういうことかというと、明確に完成ってのが分かりにくいんですよね。
分かりにくいというか、厳密に言うとクリエイティブに完成なんてないわけです。
一応のゴールは何となく決めてるけど、それがゴール(最良の策)かなんてのは実際にやってみないと分からない。

 

そんな中で、現場の人たちは少しでも完成度を上げようと必死になって時間を費やして作り上げていきます。
クライアント側としても同様に完成が分からないので、より良いものを作ってもらおうとどんどん要望を言ってきます。
そうすると、それに応えようと現場は提案をまた考えるために残業が増えて・・・というループにはまっていくんですね。

 

広告業界で残業する人は3つのタイプに分けられる

業界的になぜ残業が発生するのかは上で書いた通りです。

納期が厳しい。
ある意味完成が無い。
クライアントを離したくない。

 

ですが実際は残業する理由は1つではないんですよね。
現場を渡り歩いてきた私が実際に見てきた「残業する人」を、タイプ別にご紹介したいと思います。

 

締め切りに追われている人

冒頭でお話しした通りの理由で残業している人です。

クライアントが出した案についてなかなか納得してくれない。
案は決まっていても、企画内容の細かい所の修正を何度も依頼される。
そもそも修正が来るのが遅い。

 

理由は様々ですが、なんとか納期に間に合わせようとしているパターン。

ちなみにコンセプトや企画内容が決まるまではコピーライターが忙しいですが、いざコンセプトが決まって実作業が始まると今度はデザイナーが忙しくなります。
デザイナーがビジュアルを作っている間にコピーライターはコピーライティング。
コンセプトは決まっているので、細かなボディコピーなどに大幅な修正がかかることって実は少なかったりします。
やっぱり、一般の目線で広告に触れた時、パッと見で分かりやすいのはビジュアルですからねー。

 

この段階だとデザイナーの方がクライアントの影響を受けやすいですね。
修正の多さに比例して残業が増えますし、そもそも修正をもらうタイミングが遅かったりすると買える時間も遅くなります。

ただし納期間近になってくると、コピーライターも校正をきっちりする必要があるのでかなりクライアント修正の影響を受けます。
修正自体はデザイナーが手を動かして直しますが、クライアントに再提出する前のチェックはコピーライターが責任をもたなければならないからです。

 

理不尽に思うかもしれませんが、コピーライターはそのチェックするためだけに遅くまで残ることもあったりします。
デザイナーが修正を終えるまで、じっと待ってるんですね。
(まあ別の仕事があればそれをしておけばいいんですが)

 

「コピーライターは待つのも仕事」

先輩にいつもそうやって言われてました。

 

自分を高めるための人

スキルを高めるため、自己満足のために、いわば自分の意志で残業している人です。
別に今日やる必要のないこと、もっと言えばそもそもやる必要すらないことをして残業しているんです。

こういう人は基本的に残業を嫌がっていません。
仕方がないと思っているか、もっと言えば好きで残っている人もいます。

 

このタイプは他の業界ではあまり見られないかもしれませんねー。
残業代がきちんと出る会社なら「なに残業代稼ぐために残ってんだ」なんて怒られるかもしれませんが、残業代の出ない会社でも好きで残っている人はこの業界では多かったです。
(残業代が出ないこと自体に問題ありって感じですが・・・)

 

では具体的にこのようなタイプの人は、どういった理由で残っているのでしょうか。

 

例えば、クライアントにビジュアルの提案をしようとしますよね。
この時、提案するのは何も1つの案と決めて持って行く必要はないんですね。(競合プレゼンは別)
なので基本的に複数の案を持って行きます。
これはデザイナーがビジュアルの案を出す時も、コピーライターがキャッチコピーを提案する時でも同じです。

 

複数の案を考える時、制作側としてはいろんな案を作ってみたいんですよね。
「これはないですよねー」的ないわゆる捨て案を作ってみたり、「こんなのもウチは作れますよ」みたいな、スキルをアピールするための少し風変わりな案とか。

 

デザイナーさんは特にそうですが、こういう初めの方の段階での提案ってのは腕の見せ所なんですよね。
一応、本命の案は社内で決めておきつつ、ちょっと角度を変えた作品だったりもつくりたいんです。

 

なのでそういった機会に、自分の時間を削って会社で黙々と制作する人ってこの業界では多いんですよ。
私は残業嫌いだったんであんまりしませんでしたけどね(笑)
どちらかと言うとデザイナーさんに多かったように思います。

 

自分でスケジュールを優位に進めたい人

コピーライターは自分で仕事を回せるようになれば、スケジュールにある程度の融通は効くようになります。
なぜなら自分で仕事のペース配分を決められるからです。

「明日は家族のために早く帰りたいから、今日はちょっと頑張るか」

「後々発生する作業的な仕事は早めに終わらせておくか」

 

こんな感じで、自分である程度コントロールできるようになるんですね。
後からバタバタしたくないから少し残業を頑張って作業を早めに終わらせたい、みたいな人は多いです。

なんとなく周りに合わせて残っている人

このタイプも割と多いです。
まあ多かれ少なかれ、どんな業界でもあるっちゃーあるかもしれませんけど。

さっきも言いましたが、私は本来ならあまり残業したくないタイプなんですよ。
でも制作会社とかは基本的に定時になっても全然帰らないので、一人だけ「お先でーす」なんて言って帰りづらい雰囲気なんです。
そもそも仕事があるから定時に帰れることも少なかったってのもありますけどね。

私が最初にいた会社では皆さん基本的に残業スタイルの人ばかりでしたが、1人だけ定時を少し過ぎたくらいできっちり帰るデザイナーさんがいました。
別に仕事ができてないとかいうこともなく、クライアントからの評判も良かったようです。
その人だけは早く帰るのが当たり前になっていたので、周りも特に何も思ってなかったんじゃないですかね?

 

これは私の予想ですが、そのデザイナーさんは恐らくクライアントの担当者レベルで「自分は残業をあまりしない」ということを伝えてたんじゃないかな、と思っています。
ハッキリと言わないまでも、なんとなく雰囲気でにおわしていたというか。
クライアントの担当者と良好な関係が築けていれば、そういうことも可能なのかなとは思います。
もしかしたら緊急の場合は直接携帯にかけてもらって、家でやってたのかもしれませんけど(笑)

 

少し話がそれましたが、もしあなたがなるべく残業はしたくないのであれば最初が肝心ですよ!
最初は先陣を切って帰るのは気が引けますが、ちゃんと仕事さえこなしていれば本来なら何の問題もないはずです。

 

そういう人なんだと周りからも思ってもらえれば、だんだんと何も気にならなくなるはずです。
あくまで仕事はちゃんとこなせてないといけないのは言うまでもありませんけどねー。

最後に

今回は広告業界と残業について書いてみました。

基本的には広告業界は残業が多い業界であることは間違いありません。
ただし自分で仕事を回せるようになると、ある程度のペース配分は決められます。
メリハリをつけて、心身共に疲労が貯まらないようにしていくことが肝心です。