広告代理店に仕事を依頼するメリットとデメリット
このブログでは主にコピーライターについて色々と書いていますが、話の中でよく出てくるのが広告代理店のこと。
それだけコピーライターと広告代理店は切っても切れない関係にあるということです。
広告代理店にはコピーライターが所属していますよね。
またその下請けである制作会社にもコピーライターはたくさんいます。
現役でバリバリやってるコピーライターさんにとっては当たり前のことかもしれませんが、コピーライターになりたての頃って広告代理店の仕組みなんて分からない事も多いんですよね。
広告代理店って具体的にどんな役割を担っているの?広告を依頼する側からするとどんなメリットとデメリットがあるの?
今回はそういった疑問にお答えしたいと思います。
広告代理店に仕事を頼むメリット
最大のメリットは広告のことを総合的に任せられることです。
自社に広告のノウハウがなくても、費用を払えば効果的に広告をうつことができます。
広告をすることで、自社のサービスや商品を多くの人に向けて認知させることができるので、結果的に売り上げの増加につながります。
どんな代理店業にも言えますが、幅広いノウハウを持っているのが代理店の強みです。
広告のプロが集う広告代理店なら、クライアントの特長を最大限に活かした広告展開を考えることができます。
メディア選定、広告枠の確保をはじめ、制作物のデザインに至るまで、広告主にとってベストな提案をすることができるんですね。
他にも、例えば広告には使用できない文言や表現がありますが、クライアントのほとんどはそういった知識を持ち合わせていません。
広告のプロである代理店であればそういった知識も当然豊富なので、違法な広告を間違って世に出すなんて事はないわけです。
こんなノウハウは普通の企業にはありませんからね。
この辺の話は、例えば家を借りる時のことに置き換えてみると分かりやすいです。
家を借りる時、ほとんどの人は賃貸の仲介業者に頼むと思います。
自分で地図を広げて「このマンションがいいなあ」なんて物件を決めて現地に行き、直接大家に「この部屋を借りたいです!」なんて頼む人はまあいないでしょう。
というかそこに大家が住んでいるとも限りませんからねー。
では直接借りようとする人がなぜかいないのかというと、まず手間がかかるというのもありますし、不動産の賃貸契約のことなんか素人だと分からないですよね。
だから手数料を払ってでも代わりに業者にやってもらうわけです。
プロの不動産会社であれば、空きがある物件情報や、物件の大家の連絡先なんかは全て情報を持っています。
物件のメリット(たまにデメリット)も聞けば色々と説明してくれます。
大家との価格交渉も代わりにしてくれますし、引越し業者の紹介もしてくれたりします。
もちろん最後は契約書の作成からチェックまでしてくれるので、自分はただ言われた通りに必要事項を書き込むだけです。
自分で専門的な知識を勉強しなくても、ほぼお任せで家を借りれるのは間に不動産会社という仲介業者が入っているからこそなんですね。
話を広告代理店に戻して考えると、やっぱりクライアントからすると費用を使ってノウハウを買うという意味合いがあるんですね。
自分ではできないこと、ノウハウのないことに対価を払って実現してもらうということです。
中にはハウスエージェンシーを持つ企業もありますが、普通の企業はそんなものはありません。
宣伝部があればいい方ですが、小さな企業だとそういった専門の部署すらなく、総務が宣伝企画を兼任しているケースもあったりします。
中には社長自らが窓口になるなんてケースも少なくありません。
そんな状況の中、自社で媒体をおさえてメディアを選定し、制作会社とやり取りしながらスケジュール管理しディレクションする・・・なんてことは至難の業。
だからこそ、ほぼ丸投げできる広告代理店の存在価値があるわけですね。
ちなみに私は詳しくありませんが、クライアントが代理店に仕事を頼むと税制の面でもメリットがあるなんて話もあります。
業務委託といった名目で経費を使うことで財務処理でき、税金対策になるとか聞いたことがあります。
気になる方は詳しく調べてみてくださいね。
広告代理店に仕事を頼むデメリット
任せっきりになりがちなのはデメリットのひとつです。
任せっきりになると効果が上がっていないことに慣れてしまう恐れもあります。
自社の担当者が忙しかったり片手間で代理店との付き合いをすると、売上は上がってないのに気付けば経費だけはたくさん使っていたなんて事態になりかねません。
まあ実際によくあるんですけどね。
要はクライアント側も真剣に取り組まないと、お金を延々と払うだけの関係になるってことです。
「プロに頼んでるんだから任せっきりでも大丈夫」ではなく、宣伝部の担当者は代理店からノウハウを吸収してやるくらいの感覚でないと、真剣に売上をあげるモチベーションを共有するのは難しいでしょう。
決して「仕事を依頼しているんだからこっちはお客様だ!」みたいな態度だけは取らないようにしたいものです。
一緒に目的を達成するためのパートナーとして接することで、お互いに成長していけるはずです。
広告代理店に依頼すると自社にノウハウがたまらない?
ちなみに広告代理店を利用するデメリットをネットで調べてると出てくるのが「ノウハウがたまらない」みたいな話。
でも、これは担当者次第だと私は思いますけどねー。
例えば、媒体をおさえることは代理店を通さなくてもやろうと思えば可能です。
デザインやコピーも広告制作会社に直接頼んで作ってもらえばいいんです。
印刷会社などに話を通しておき、そこにデータを入稿してもらえば完成です。
広告制作における一連の作業の中で、我々がどういったことを具体的にやっているのか。
代理店に任せているからこそ、間近で広告制作の仕事に担当者はふれられるわけですよね。
クライアントの宣伝部のやる気次第では、代理店と一緒に仕事をするのは逆にノウハウを自社に吸収するチャンスになると思うんですけどねー。
そりゃさすがにデザインやキャッチコピーを考える人材を自社で揃えるのは無理かもしれませんよ。
それだとハウスエージェンシー作ればって話ですし。
上のデメリットの所で書きましたが、ただ依頼して出来上がって来たものをチェックし、修正を入れるみたいなことをルーティンでやるだけですと当然ノウハウなんて貯まりませんね。
まあ世の中の大半のクライアントはそんな感じです。
というかそれがクライアントと代理店の普通の関係性なのかもしれません。
でもたまにですが、「グイグイくるなー、ここの会社!」みたいなクライアントもいることはいます。
実際、私がコピーライターをやっていた時、代理店と一緒にクライアントの打ち合わせによく行っていましたが、やる気がある企業は広告制作に関わろうとしてくる姿勢が違います。
こちらのノウハウを盗んでやろうという気概すら感じられることもあります。
あるクライアントの担当者は、私がキャッチコピー案をいくつか持っていって説明し終わると、何やらニヤニヤ。
「さすがプロですねー!でも、実は僕もいくつかキャッチ考えてきたんですよねー。これ、見てもらえますか?」なんてコピーを披露してきた時はびっくりしましたね。
こういったクライアントと仕事をすると、こっちもヘタなものは出せないぞ、なんてより一層やる気が湧いてきます。
本気で広告制作に向き合っているのが伝わるので、期待に応えたい気持ちがいつも以上に強くなりますね。
最後に
今回はクライアントから見た時、広告代理店に仕事を依頼するメリット・デメリットについて書いてみました。
コピーライターを目指している人、なりたての人にとっては初耳の内容のこともあったかと思います。
代理店か制作会社、どちらのコピーライターになったとしても、クライアントと広告代理店の関係性については知っておいて損はありません。
今回の記事が参考になれば幸いです。